ダブルバトル界隈に蔓延る癌細胞とその治療法について

 こんにちは。元ダブルバトルプレイヤーのさんごです。僕がダブルバトル界隈に入ったのは去年の11月からのおおよそ半年間ですが、この界隈にいて1つ、大きな歪みがあると気づきました。「年一回の公式の世界大会(以下公式大会)がすべて」という風潮があまりにおおきすぎやしないか、と。

 何故、運要素に左右されるゲームなのに、試行回数が稼ぎにくく、事故が起こりやすい年に一回しかない大会にしか大多数のプレイヤーが興味を示さないのか。何故、大会運営が一向によくならないのに文句を垂れるだけで別の大会に乗り移ろうとしないのか。

 別に、公式大会に魅せられて、ダブルバトル界隈に参入するのを否定しているわけではありません。参入した後に、何年も世界大会だけを目指して戦うのが沼だといいたいのです。

 僕が思うに、ベテラントレーナーが本気で戦おうとする場所が年に一度の公式大会のみというのが問題なのです。公式大会のルールは基本的に直前に発表されるし、毎年のように運営でトラブルが起こり、不正も多発する。そこに悩まされ、膨大な時間と労力を割き、自分の生活を犠牲にしながら真剣に競技に取り組んだのに報われなかったプレイヤーも多いことと思います。自分の代わりに、不正プレイヤーが自分よりも勝ち進んだり、良い結果を残しているのは非常に腹立たしいことです。しかし同時に、不正プレイヤーや、運営に対する誹謗中傷的な不満をネットに吐き続けるのは理想的なプレイヤーではありません。新規も不穏だと思い、入りにくい雰囲気を作ってしまうし、既存のプレイヤーの中の対立を煽ってしまいます。

 この問題の根本はおそらく、公式大会が競技シーンの中で一番盛り上がるのに対して、競技シーンの中でも選手に対する扱いや運営全般が酷い部類であるというギャップに要因していると思います。では何故運営が粗末なのに注目されるのか。大きく二つの理由があります。

 一つ目の理由は大会の規模感です。普段は多くのプレイヤーはランクマッチや、非公式のPokemon Showdown!などに対戦人口が分散していますが、WCSは世界中の全プレイヤーが戦う大会です。最大級の大会で、大会の配信には数千人、数万人の同時接続者数が常にいる大会です。ここまで規模の大きい大会はポケモンに二つとありません。ネットでの名誉が手に入るのも大きいでしょう。幅広い層が見ているので、Twitterなどでの多くのフォロワーやファンの獲得につながる数少ない大会です。「公式に認定された日本代表」とプレイヤーなら公言したいものですよね。

 二つ目の理由は第三者主催の大会が極端に少ないことにあります。実際にオフ大会を開いている団体はたくさんありますが、定期開催のネット大会はテラスクエアしかありません。この状態では中長期的に目指せる目標がほとんどなく、多くの人が公式大会にしか興味を持たない理由になってしまっているのではないでしょうか。

 しかし、僕はこの状況を最悪の状況だとは思っていません。今こそテラスクエアに続き、定期開催の大会を開催したり、盛り上げていく絶好のタイミングなのではないでしょうか。現在、ダブルバトル界隈の盛り上がり≒公式大会の盛り上がり、という公式大会に依存した状態の、非常に不安定な界隈ですが、他の大会に目を向けることによって解決していくのではないでしょうか。公式に公式大会に関する問い合わせフォームを大量に送っても行動を起こしてくれる保証はありませんし、学校の発表会の演目に駄々をこねる小学生と変わりありません。

 結論としましては、ファン開催の大会を盛り上げて行くことが界隈における公式大会の締めるウェイトが軽くなり、公式大会での不正へのヘイトや、不正そのものを減らすことにつながるのではないでしょうか。みなさんもテラスクエア参戦、ご検討されてはいかがでしょうか。